TEXT ARCHIVES 高山文庫


2016年インタビュー PART1【期間限定無料公開中】


2016年初め、当時始まったばかりの動画配信サービスでWWEを始めとする海外プロレスのアーカイブにどハマりしていた時期の帝王インタビューを再録! プロレス界の帝王が、一瞬だけプロレス少年に戻ったかのようなテンションで語っている貴重な原稿です。

聞き手/堀江ガンツ
※『KAMINOGE vol.51』(東邦出版/2016年3月7日発行)より再録



当時の日本のファンが考えるような、
夢の対決がいろいろ実現してたんだよね。
ああ、この組み合わせがここであったんだ、とか。
それが楽しい




――(2016年)1月5日から定額動画配信『WWEネットワーク』のサービスが、ついに日本でもスタートしましたけど、高山さんは早くもヘビーユーザーになってるらしいですね?(笑)。

高山 暇さえあれば観てますね。暇を作ってでも観てる(笑)。

――『WWEネットワーク』優先の生活になりつつあって(笑)。観てるのは最新の映像というより、アーカイブが中心ですか?

高山 最新のものも観てますよ。でも、やっぱり何時間も観続けちゃうのは古いやつだね。もう1月5日からずっと観てるから、古いやつはほとんど観尽くしちゃった(笑)。早く更新してくれねーかなと思って。

――1ヵ月で早くもアーカイブを観尽くしましたか!(笑)。僕も加入してぼちぼち観始めてるんですけど、アーカイブはまだそんなに充実してないんですか?

高山 充実してるんだけど、俺みたいなヘビーユーザーにとっては更新が遅い。だって、ホントは一生観終わらないくらいの膨大な映像があるはずじゃないですか?

――そうですよね。WWEだけで(WWWF時代から数えて)50年以上の歴史があって、その他にNWAやAWA、ダラスWCCWとか、かつて存在したいろんな団体のアーカイブがあるはずですからね。

高山 そういうのが観たいんだから、「早く出せよ、コノヤローッ!」って(笑)。

――出し惜しみしてんじゃねえぞ、と(笑)。

高山 ただ、フィルムで持っていても保存状態が良くないから、出せないものもたくさんあるみたいですね。

――デジタル化できないくらいのものが。

高山 そうそう。

――これまで観たアーカイブで、とくにおもしろかった試合って何がありますか?

高山 80年代半ばから後半の試合だと思うんだけど、昔の全日本プロレスと新日本プロレスで活躍した強豪外国人レスラーが入り乱れて闘うトーナメントがあったんですよ、それがホント楽しかった。

――元全日本と新日本のガイジンが一堂に会する、日本のファンから観ると夢のトーナメントなんですね(笑)。

高山 「おおーっ! こんなカードが!」って俺が興奮したもん(笑)。

――どんなメンバーだったんですか?

高山 確か、ダイナマイト・キッドvsアドリアン・アドニスがあったんだよ。あと、イワン・コロフ、リッキー・スティムボート、アイアン・シーク、カウボーイ・ボブ・オートン、ポール・オンドーフ、ロディ・パイパー、ケリー・フォン・エリックとか、そういうメンバーだね。

――『プロレス・スターウォーズ』的な感じですね(笑)。

高山 当時の日本のファンが考えるような、夢の対決がいろいろ実現してたんだよね。ああ、この組み合わせがここであったんだ、とか。それが楽しい。あとは、すごく昔の試合だと、スーパースター・ビリー・グラハムvsブルーノ・サンマルチノとかね。金網デスマッチで。

――“ニューヨークの帝王”サンマルチノから、スーパースター・ビリー・グラハムに時代が移っていくときの試合ですね。
高山 あとはハリー・レイスも、ちゃんと“ハンサム”ハリー・レイスっていう名前で出てたり。

――さっきのトーナメントって、メンバーから考えておそらく86年ぐらいで。ちょうどWWFの全米侵攻が進んでいって、全日本や新日本に来ていた強豪ガイジンレスラーが、どんどんWWF独占契約になって来なくなっちゃった時代ですよね。

高山 そうそう。

――新日本の常連だったハルク・ホーガン、アンドレ・ザ・ジャイアント、アドリアン・アドニス、マスクド・スーパースター、ダイナマイト・キッドとかみんな来なくなっちゃって。全日本のほうも、ザ・ファンクスからスタン・ハンセンのパートナーだったテッド・デビアスも行っちゃって。

高山 ガイジンのトップレスラーは、ハンセンとブルーザー・ブロディくらいしか残らなかったもんね。それで新日本は、マシン軍団で回してたんだから(笑)。

――しかも、しばらくしたら、そのマシン軍団ギミックもWWFにパクられて(笑)。

高山 そうそう。アンドレがジャイアント・マシンで出たり、ホーガンがハルク・マシンで出たりしてたもんね(笑)。

――でも、そんなの観てたら、ホントに時間がいくらあっても足りませんね。

高山 だから、正月からずっとプロレス三昧だよ。ヨカタに戻った感じ(笑)。

――こんなのが学生時代にあったら大変でしたよね。

高山 ヤバいよ、ホントにヤバい。いまでもヤバいんだから(笑)。

――絶対に引きこもりになってますよ(笑)。膨大なアーカイブは観られるし、現在進行形のWWEの試合もPPV含めて全部観られるんですよね?

高山 みんな観られるんだけど、RAWは生で観られないんですよ。

――あ、そうなんですか? RAWは観られないのにPPVは観られるんですね。

高山 RAWは生じゃなくて、遅れて観られるんですよ。なんでかっていうと、アメリカでもRAWは観られないんだって。それはRAWの制作費は、向こうのテレビ局が出してるから。

――なるほど。PPVはWWE製作だけど、RAWはテレビ局がお金を出して制作してるんですね。

高山 俺はちゃんとWWEジャパンに問い合わせたから。「なんでRAWが観れねぇんだ!」って(笑)。

――ダハハハハ!「PPVまでのストーリーがわからねえじゃねえか!」と。

※PART2は10月5日(金)公開!

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