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蘇れ! UWFインター伝説! 金原弘光・高山善廣対談PART1【期間限定無料公開】


かつて「地上最強のプロレス」を目指した団体があった――。UWFインターナショナルでデビューした2人が至近距離で見てきた“最強”プロレス団体の真実とは? 2001年に収録した対談原稿です。手の合う先輩との掛け合いで思い出話に花を咲かせる帝王の語りをお楽しみください。
聞き手/堀江ガンツ

『紙のプロレスRADICAL No.40』(発行/ワニマガジン社)

UWFインターナショナル
(つぶれていなければ)創立10周年記念対談
金原弘光  高山善廣

蘇れ! UWFインター伝説!



(Uインターの選手は)みんな凄いですよ(高山)



――今日は「Uインター存続していれば旗上げ10周年記念」(笑)として、Uインター一期生二期生である金原選手と高山選手においでいただき、いま再評価されているUインター強さの源流を探ってみたいと思います!

高山 要は藤原さんとドン荒川さんの対談(『紙プロ』4号に掲載)みたいなもんですね(笑)。

――ガハハハ! その通りです!(笑)。

金原 でも、オレと高山君でUインターの話なんかしたら、インタビュー一回分じゃ収まりっこないよ(笑)。

高山 一回分なら禁断の「中野龍雄さん話」だけで終わっちゃいますよ(笑)。

――中野龍雄さんですか! そんなに凄い方だったんですか?

高山 みんな凄いですよ。だからもう連載にしましょう(笑)。

――とりあえず前編後編でお送りする予定なんで、よろしくお願いします! まず金原さんと高山さんって、入門時期はどれくらい違うんですか?

金原 10ヶ月ぐらいかな。オレは第1回の入門テストで入ったから。旗揚げ前の入門だよ。

――そんなに早かったんですか。

金原 そう。そのころは道場がまだなくてさ、合宿所の隣の公園で練習してたから。そこに和田さん(和田良覚レフェリー)がジープに乗ってガァーってやって来るんだよ(笑)。

――和田さんとジープっていうのはハマリ過ぎですね(笑)。

金原 和田さんは当時、風呂無しで六畳一間のアパートに住んでたんだけど、見栄だけは張ってジープに乗っててね(笑)。

高山 しかも時計はロレックスをしてましたから(笑)。

――でもアパートは風呂なし、と(笑)。

高山 よくあんなボロアパート残ってたな、っていうくらいのアパートですからね。また一方通行がたくさんある迷路みたいな場所にあって(笑)。

金原 近くに竹藪があって、そこで首吊り自殺があったって噂が出たりね(笑)。

高山 それでお客が来たら、サンドバックを横に倒してソファーの代わりにするんですよ。(笑)。

――ガハハハ! どんな家ですか(笑)。

金原 それはそれは豪快な男でしたよ(笑)。

高山 栄養は道場のチャンコでたくさん取っていてね(笑)。

金原 そうそう、和田さんはメチャクチャ喰ってたよ! 練習生はどんぶりでチャンコ3杯、ゴハン3杯のノルマがあったんだけど、俺ら下っ端が最後にメシ食おうと思ったらないんだよ! 和田さんが全部食べちゃってて(笑)。

高山 チャンコなんて汁しか残ってなかったですからね(笑)。

金原 気が付いたら和田さんだけが太っちゃってて。練習生は全然太れなくて、宮戸さんに「お前らもっと食え!」って怒られてさ(笑)。

高山 それが「和田最強伝説」の始まりでしたよね(笑)。

――そこから始まりましたか(笑)

金原 インタビュー前半は和田最強伝説だけで埋まるよ(笑)。

――それは困りますね、面白いけど(笑)。今日は和田さんの強さじゃなくて、Uインター勢の強さの秘密に迫るんですから!

金原 でも強さの秘密って言ったら、それはもう強い先輩がたくさんいたからだよ。とにかく高田さんとか安生さんが強くて、ホント嫌になったもん。

――嫌になるぐらいの強さですか?

金原 ホントそうだったよ。でも上にそういう先輩が居れば居るほどさ、後輩は揉まれて強くなっていくからね。基礎練習とかもホント凄かったし。

――どんな感じだったんですか?

金原 スクワットとかも「何回やれ」って言われるんじゃなくて、延々やらされてさ。

――まだそういうのが残ってた時代なんですね。

金原 スクワット500回と四股100回やって、レッグランジやって。腕立てやって。ブリッジ3分やって、腹筋を200回やって。それで柔軟運動やる。これは先輩が来る前にはやらなきゃいけなかったんですけど。

――それからスパーリングですか?

金原 そうなんだけど、昔のスパーリングって今と違ってずっと寝技なのよ。今は一回極まったら、立ち上がってまたスタンドから始めるんだけど。昔はアームロックを極めても離すだけで、そのサイドポジションのままもう一回始めるからさ、バンバン極められるんだよ(笑)。

――いわゆる「いじめスパーリング」ですね。

高山 30分とか1時間とか延々でしたからね。

金原 俺、最高2時間やったからね!

――2時間極められっぱなしですか!

高山 あれは金原さんだけでしたよ(笑)。

――金原さん、嫌われていたんじゃないですか?(笑)。

金原 違うよ! 練習生はそういうのに耐えて強くなっていくんだよ。しかもスパーリングが終わってチャンコ番で「お先に失礼します」って帰ろうとしたら、宮戸さんが「足の運動やっていけよ」って、またスクワットが始まるんだよ(笑)。そういうのを一年間は続けていたから、当時は体力凄いあったよね。

※PART2に続く