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よみがえれ! UWFインター伝説 高山善廣×金原弘光×ミヤマ☆仮面(垣原賢人)対談 PART1【期間限定無料公開】


ちょうど10年前、大晦日に開催された『Dynamite!! ~勇気のチカラ2008~』で実現した田村潔司 vs 桜庭和志。この世紀の一戦を前に、同じ釜の飯を食ったUWFインターナショナルの同志が集結した豪華対談です。高山選手と仲がよく、ウマも合う金原弘光選手、ミヤマ☆仮面(垣原賢人)選手が、当時の強烈すぎる思い出を語る爆笑対談です。高山選手の不屈の精神が培われた背景がよく分かるはず。
聞き手/堀江ガンツ

『kamipro No.130』
2008年12月20日発売
よみがえれ! UWFインター伝説
高山善廣×金原弘光×ミヤマ☆仮面
(発行/株式会社エンターブレイン)



垣原さんは先輩だけど、俺らに近い感じで、
いろいろしゃべってくれたんですよ。
僕らに対する呼び方も
「高山くん」とか「金ちゃん」でしたからね(高山)



――お話をスタートする前にまず飲み物を注文しましょうか。

金原 俺はウーロン茶。

高山 僕は水でいいです。

ミヤマ では、私は樹液をいただきましょうか。

一同 ダハハハハ!

――というわけで、現在は森と昆虫を愛する"クワガタの化身"ミヤマ仮面となっている元Uインターの垣原賢人さんを迎えて、大人気企画「よみがえれ! UWFインター座談会」を行なわせていただきます!

ミヤマ よろしクワーッ!

金原 垣原さんは話題の宝庫ですよ。

――そうなんですか?

高山 Uインターだけじゃなく、第二次UWFのネタもたくさん持ってますからね。

金原 そう。俺たちがUインターの新人時代、新生UWF時代の前田(日明)さん、船木(誠勝)さん、鈴木(みのる)さんとかの伝説をよく聞かされたから(笑)。

――第二次UWFの新弟子生活が語れる貴重な証言者なんですね。

高山 あの頃の話はあんまり言う人いないからね。あと、垣原さんは先輩だけど、俺らに近い感じで、いろいろしゃべってくれたんですよ。僕らに対する呼び方も「高山くん」とか「金ちゃん」でしたからね。

――絶対的な縦社会である道場の中で、垣原さんはやさしい先輩だったんですね。

金原 とくに合宿所は、田村さんが凄く厳しい寮長だったから、これで垣原さんまで田村さんと同じような感じだったら、もう俺ら気が狂ってるよ!

――ダハハハ! 田村さんはそこまで厳しかったんですね(笑)。

金原 厳しい田村さんがいて、やさしくなぐさめてくれる垣原さんがいる感じだったよね。

ミヤマ お母さん的存在になってました。

金原 厳しい新弟子生活の中でね、垣原さんが「金ちゃんはいいよ。先輩に船木さんや前田さんがいないんだもん」とか言ってくれるの(笑)。

高山 「あと鈴木さんもいないし」ってね(笑)。

金原 だから、前田さん、船木さん、鈴木さんっていうのは、どれだけ凄い人たちなんだろうって思ったよね。

ミヤマ 幻想が膨らむだろうね。

高山 垣原さんがあんまり言うから、鈴木さんと最初に会ったとき凄い緊張しましたよ。

――いまは盟友だけど、最初は「どれだけとんでもない人なんだろう」と(笑)。

高山 だから僕も新日本で鈴木さんと一緒でツルんでてもね、最初はいつ怒られるかってずっと思ってて。いまでは「みのるちゃん」とか言ってるけどね(笑)。

金原 でも、垣原さんは、いまだに船木さんや鈴木さんに会うと緊張するんじゃないですか?

ミヤマ 「はい」と「いいえ」しか言えないよ。以前『kamipro』さんで船木さんと対談を組んでいただいたときも、メチャクチャ緊張したから。

――それぐらい当時は厳しい上下関係があったわけですね。田村さんは、第二次UWFのそういう厳しさを忠実に受け継いでたんですかね?

高山 田村さんは、第二次UWFで中野(龍雄)さんと合宿所で同部屋だったから、大変だったって話は聞きましたけどね。

金原 それは想像を絶するほど大変そうだけどね(笑)。

――中野さんはとくに上下関係に厳しい人だったみたいですね?

ミヤマ そうですね……。僕も中野さんとはいろいろありまして……。

金原 来た! いきなり中野さんの話いっちゃいますか?(笑)。

高山 垣原さんと中野さんが、Uインターの大阪で凄い試合をしたんですよね。

――どんな試合だったんですか?

金原 中野さんを掌底でボコボコにして、血だらけにしちゃったのよ(笑)。

ミヤマ 中野さんってけっこう鼻血が出やすい人で、試合前から鼻血が出てるような人じゃないですか?

――そうですね(笑)。

ミヤマ でも、そんな鼻血が出やすい中野さんにしても、えらい血が出てるなと思ってたんですよ。僕の身体にも返り血がベッタリついてて、試合後に聞いたら顔面骨折されてたんですよね。

高山 入院して手術したんですよ。

――そんなにボコボコにしちゃったんですか。

金原 あの試合はみんなビデオで観た方がいいよ。ベイダーもその試合のビデオを観て「中野は根性がある」って認めてたんだから。

ミヤマ でも、やっぱり上下関係は新生の頃からありますから、そんな状態で後輩がそんなことやっちゃって、大変なことじゃないですか。だから試合後、いくら試合で正々堂々とやったこととはいえ、先輩にケガさせたのはマズいと思って一応病院に見舞いに行ったんですよ。そしたらまったく口利いてくれないんですよ。

――ズバリ言ってカンカンだったわけですね(笑)。

ミヤマ どうしようと思って。それから退院されて何カ月か経ったら、突然、中野さんから電話かかってきて「いますぐ来い!」って言われたんですよ。

金原 垣原さんが呼び出しくらって「いまから中野さんのところに行ってくるよ」って暗い顔で言ってたの覚えてますよ(笑)。

ミヤマ それで中野さんの家のインターホンをピンポーンって押して、ドアが開いた瞬間にパンチの嵐ですよ! もうボッコボコに殴られました。

――いきなりボコボコですか!

ミヤマ ホントにタコ殴りにされて、そのまま部屋に引き込まれて「この野郎、殺すぞ!」って1時間ぐらい説教されたんですよね。もう生きた心地がしないというか……。

――それは恐ろしいですねえ。

ミヤマ で、なんとか帰してもらえたんですけど、そのあと、中野さんの復帰戦の相手がよりによって僕だったんですよ!

――ダハハハハ! 超因縁のカードですね(笑)。

ミヤマ Uインター上層部は、僕と中野さんのあいだでそんなことがあったなんて知らないじゃないですか。それで組まれちゃったんですよ。 

高山 冬の神宮球場ですよね(笑)。

金原 最初のボコボコにした試合と、神宮の試合、見比べるとホントおもしろいよ! 神宮の方はね、もう凄いイージーだから(笑)。

――ダハハハハ! 

ミヤマ 試合前に「この野郎、わかってるだろうな!」の一言ですから。

金原 それで垣原さん、ガンガンやられてましたよね(笑)。

ミヤマ だって前回ガンガン行って、死ぬような思いしてるんだから、いけないでしょ。

高山 控室で高田さんがモニターで試合観ながら「なんでいかねえんだ!」とか、ずっと言ってるんですよ(笑)。 

――事情を知らない人には、垣原さんが攻めない理由がわかりませんよね(笑)。

ミヤマ もう次に同じことやったら、ホントに殺されるんじゃないかっていうほど怖い先輩でしたからね。

金原 じつは、そのあと俺も同じようなことがあったんだよね。

――そうなんですか!?

金原 初めて中野さんとシングルでやって、まあバンバン蹴ったのね。そしたらあとで「おまえ、わかってんだろうな!」っていう電話がかかってきちゃってさ、垣原さんの話を聞いてたから、こりゃヤベえと思ってね(笑)。

――それは絶対ヤバいですよ。

金原 それで俺はね、高田さんに電話したの。「じつはこういうことがありまして」って。そしたら高田さんが俺の目の前で中野さんに電話してくれてさ。そしたらまた中野さんから俺に電話かかってきて、「冗談だぞ」って。

一同 ダハハハハ!

金原 「おまえ、冗談なのに高田さんに言うなよ」って(笑)。

ミヤマ それで済むんなら、俺も高田さんに言っとけばよかったな~。でも、いまは中野さんと和解というか、仲いいんですけどね。ケータイに中野さんの番号も入ってますから。僕が引退するとき、関係者を通じて電話もいただいて「いまからケータイの番号教えるからさ、電話しろ」って言われて。

高山 中野さんの電話番号知ってる人ってなかなかいないんじゃないですか?

ミヤマ Uインター関係で知ってるの俺だけだと思う。雨降って地固まるじゃないですけど。

――凄い豪雨でしたけどね(笑)。

ミヤマ 叩き付けるような、大地が砕け散るような雨でしたけど(笑)。

金原 これが垣原さんの中野さん伝説なんだよ。

※さらなる壮絶秘話が飛び出すPART2は11/16(金)公開!!